COACHの歴史について

1941年、マイルズ、リリアンのカーン夫妻によって COACHはニューヨーク、マンハッタン、ソーホー地区のフロントで産声をあげた。カーン夫妻の小さな工房は財布、キーケース、ベルトなどの革小物の生産が出発点だった。1961年、アメリカの新しいブランド、COACHも一歩を踏み出した。COACHという文字には馬車とという意味がある。これは、マイルズカーンの妻のリリアンが付けた名前だと言われている。カーンはある日、スポーツ野球のグローブの革にヒントを得て、使い込むほどにやわらかさが増し、かつ耐久性にも優れたグラブタンレザーを開発した。このバッグはシリアルナンバー入りという珍しいもので、そのデザインからアメリカンクラシックと呼ばれた。クラシックスタイルの始まりだった。1980年、現会長CEOのルー・フランクフォートによりメール・オーダーできるカタログを創刊。これにより、 COACH製品が全米に知れ渡った。1981年、この年流行していた、プレッピーファッションのバイブルとも言える『ザ・プレッピー・ハンドブック』に掲載し、一躍脚光を浴びた。また、この年ニューヨークのマジソン街に直営店をオープンした。1988年、日本初の店舗を横浜三越内にオープン。折りしも日本はDCブランド人気の渦中にあった。海外で高級ブランドを買いあさる日本人が話題であり、ブランド品を持つことで、経済力やセンスが他人より卓越しているとアピールする時代だった。海外ブランドがこぞって日本進出を企てたが、その日本での高級ブランドの条件は、ロゴに埋め尽くされた派手なファッションであり、一方のCOACHは重厚で地味にさえ感じられた、しかし、バブルがはじけてみると、 COACHの上質なバッグは定番のブランド品としてしっかり日本に根付いていた。1997年にはこれまでのクラシックなデザインを一新、ナイロン素材を使い、軽くてスリムでポケットのたくさん付いたネオ・コレクションを発表した。続けて、同様に軽量タイプのマーサーを発表した。これまでの「1種類のデザイン、1種類の素材」からの転換にチャレンジをはじめたのだ。そして2000年春、ハンプオンズコレクションの発表は転換期となった。2000年にはサラ・リーコーポレーションから分離、独立、株式会社としてニューヨーク証券取引所に上場した。2001年、 COACHを代表するシグネチャー・コレクションが発表された。"C"のロゴをモノグラムで布に織り込んだ斬新なデザインだった。シグネチャー・コレクションは爆発的な人気で迎えられた。2001年、リスレットを発表。活用範囲の広い長方形のミニバッグは、すぐに女性の心をとらえた。2002年、銀座5丁目に第1号店をオープン。続いて2003年渋谷にオープン。その後、直営店は続々と生まれていった。2006年、創業65周年を迎え、これを記念してレガシー・コレクションを発表した。無骨で飾らない真鍮のハードウェアやゆったりした外ポケットなど、象徴的なディティールをフューチャーし、原点でもある川素材を贅沢に使ったコレクションでもあった。2007年、バングルを中心としたジュエリーを発表。2007年には、フレグランスを開発した。2008年。モスクワに路面店をオープン。ほぼ同時に中国兼香港に初の直営店をオープン。今も次々と躍進を遂げている。